公開日 2023年9月13日 最終更新日 2024年1月29日
今回のブログのテーマは『スタイル診断』です。
これは私の造語で、
「自分に合った物語の創作術(型)を見つける」という意味です。
つまり【スタイル】とは、【自分の物語創作術】ですね。
物語創作術なんて一つしかないんじゃないか?
――と思う人もいるかもしれませんが、
実はそうではありません。
目的に合わせて4種類に大別されます。
ちゃんと理由はあるのかしら?
あるに決まってるやん!
解説するから楽しみにしてぇや
いいでしょう!
そこまで言うなら
教えてもらってあげますよ
なんでこいつ偉そうなんや・・・・・・
1.【スタイル】を知らないことで起きる問題
そもそも物語創作術は統計論(帰納法)です。
過去に面白かった作品に共通する法則から導き出されたものが、
現在世の中で広まっている創作論になっているのです。
さて、なら気付くはず。
「多様な作品があるにも関わらず、同じ作り方なのはおかしい」
その通りです。
「重厚なテーマを持つ作品」と「魅力的な謎を解明しようとする作品」、
「魅力的なキャラクターが活躍する作品」と「腹を抱えて笑ってしまう作品」。
全部スタイル(型)が違いますよ!
それにも関わらず、巷では同じ手法で物語を作ろうと推奨されている。
「これって絶対間違ってますよね?」
勉強熱心なあなたなら知っているはずです。
『ヒーローズ・ジャーニー』、『セイブ・ザ・キャット』、
『三幕構成』といった脚本術を。
自分の作りたい作風と違う、と思いつつ仕方なく取り入れてみる。
何となく違和感を感じるけど、本に書いてるし正しいのかな?
他にも、作品を編集者や友達に見せた時に、
「もっとキャラクターに共感させた方がいいね」とか、
「派手な事件を増やした方が面白いよ」とか言われませんでしたか?
「それってあなたの好みですよね?」という言葉を飲み込んだ人も多いはず。
それらも全て【スタイル】のズレから生まれるものです。
【要約・以下の問題は『スタイル』を知ることで解消される】
- 自分の表現したいことがわからない(自己分析)
- 自分のするべきこともわからない(戦略)
- 参考にすべき作品がわからない(手本・資料)
- 既存の作品の楽しみ方がわからない(作品分析)
- 他人の的外れのアドバイスに悩まされる(取捨選択)
- いつも同じ様な作品や既存の作品の真似になってしまう(差別化)
2.そもそも【スタイル診断】はなぜ生まれたの?
私は学生時代は『専門学校』に通っていました。
専攻は「漫画学科」だったのですが、
授業では現役で活躍している小説家や脚本家の講師も指導してくれました。
ですが、専門学校には致命的な欠陥があったのです。
それは、「みんな似た作品を作ってしまう」という問題です。
これは、私の担当になってくれた編集者(少年週刊誌)から聞いた話です。
同じ講師が添削した結果、生徒たちの個性は消失し、
質は上がるが、魅力が下がる……。
似た問題を「キャラクターデザイン学科」の生徒も持っていました。
デッサン力は上がり人体について詳しくなる一方で、
オリジナリティが減って講師の劣化コピーになる。
これらは【スタイル】を意識していないから起きる問題です。
講師が自分の【スタイル】だけを信じて、
それを生徒に押し付けた結果、みんな同じ【スタイル】の作品になる。
具体的にいうと漫画学科の講師の場合、
「クライマックスには、ヒロインが泣きながらテーマを叫ぶ」みたいな、
展開を生徒全員に強制させてしまうといった具合です。
ギャグマンガを描いている生徒にも、それを押し付けていたので驚きました。
講師にとってそれが理想のクライマックスかもしれませんが、
生徒たちの作品を読まされる編集者にとっては食傷気味でしょう。
みんな似た展開の作品を描くって、恐怖でしかないです。
ちなみに私は専門学校の講師よりも、
高校時代からの親友を信じていました。
「志幻の物語の魅力は、読者の予想を裏切ってやろうという意気込みだよな!」
そこを自分の魅力だと信じて、突き詰める方向で伸ばそうと意識しました。
じゃあ、どうすればもっと読者の予想を裏切るエンタメを作れるだろうと考えて、自分なりに「伏線」や「類推」などを巧みに使うという結論に辿り着きました。
結果、講師に「なんでヒロインが泣きながらテーマを叫ばないの!?」と責められました。
ですが、進級制作展でマガジンの副編集長に評価して貰えたので嬉しかったです。
これらの経験から、物語の創作術を一つに絞ることの危険性を意識し、
より多くの創作者が自分らしい作品を作れる方法を見つけ出そうと考えました。
これが私が【スタイル診断】を作ったきっかけです。
3.【スタイル】の分類方法を知れば納得できる
【スタイル診断】では物語を4種類に大別します。
この4種類というは、適当に選んだものではありません。
構造上、必然性がある4種類なのです。
ちなみに【スタイル】が完成したのが2012年くらいでしたが、
数年後発売した『荒木飛呂彦の漫画術(2015)』で、
漫画の『基本四大構造』として列挙されている要素と酷似していました。
そこで紹介されているものは以下の通り。
・キャラクター
・ストーリー
・絵
・世界観
――そして、全ての要素は『テーマ』につながる。
【スタイル】の4種類は、以下の通り。
1.キャラクター
2.ワールド
3.ストーリー
4.ドラマ
――ワールドは世界観、ドラマはテーマなので似ていますよね。
【スタイル】には数字が付いていますが、これにはちゃんと理由があります。
この数字の順番に要素が生まれているからです。
軽く説明しましょう。
1.キャラクター
まず、最初に視点キャラとなる「キャラクター」が存在します。
一般的には「主人公」と呼ばれていますが、
厳密には視点キャラの方が操りやすいので「視点キャラ」とします。
魅力的なキャラクターを一番に大事にしたい作者はここを意識します。
2.ワールド
視点キャラが存在する世界・社会がこの「ワールド」です。
時代や場所や表現するモチーフもここに属します。
「ホラー」や「SF」といったジャンルもここの魅力です。
自分ならではの世界観を大切にしたい作者はここに力点を置きます。
3.ストーリー
「ストーリー」とはできごとの流れを意味します。
つまり、時間の流れによって事態が変化していくということです。
「この先何が起きるか気になる(謎)」という魅力を持っています。
できごとの整合性や驚くべき展開を意識する作者はここを重視します。
4.ドラマ
「ドラマ」とは心理的な葛藤のことです。
ストーリーによって時間が流れた結果、
視点キャラが問題に悩み苦しむという展開になります。
そして、葛藤の末に決断するといった行動を通じて、
受け手にテーマやメッセージを伝えます。
強いメッセージ性や感動を大切にしたい作者はここを気にします。
4コマ漫画の様に構成されている要素が増えていくのが面白いですよね。
私はこの数字の中で③のストーリーを一番大事にしているので、
【スタイル診断】だと『ストーリー重視』ということになります。
ちなみに全てのイラストは【山乃碑 ルシ】氏に描いてもらいました。
先ほどの話に出てきた高校時代からの親友の漫画家です。
また、キャラクター重視とワールド重視は【テリング(表現)】、
ストーリー重視とドラマ重視は【プロット(展開)】に比重を置きます。
そして、キャラクター重視とドラマ重視は【人物】、
ワールド重視とストーリー重視は【社会・世界】に比重を置きます。
なぜ【スタイル】が4種類に分類できるか、理解出来たのではないですか?
4.診断を試してみよう
ココナラのサービスでは10個の質問にお答えいただいています。
質問に対しても、よりなぜそれを選んだのかを理由付きで聞いています。
そうすることでより細かい判断ができるからです。
今回は簡易版ということでお試し用の、3個の質問を用意しました。
質問に答える際は、
「自分は○○を重視しているから」
「さっきの図を参考にすると・・・・・・」みたいな理屈ではなく、
自分の率直な感覚で選んで貰った方が正確に診断できます。
では、始めてみましょう!
それぞれのアルファベットの中で一番大事にしているものと、
逆に大事にしていないものを選んで下さい。
この質問は二択ですね。
同時に考える人はどちらを大切にしているかでも大丈夫ですよ。
さて、それぞれお答えいただけましたか?
5.診断の結果はどうなった?
では、それぞれが何を重視しているか説明します。
A キャラが好き!グッズ欲しい!! 【キャラクター重視】
B 世界観が好み!雰囲気がたまらん!! 【ワールド重視】
C 騙されたわ!どんでん返しヤバい!! 【ストーリー重視】
D めっちゃ響いた!感動した!! 【ドラマ重視】
A キャラクター:登場人物の設定 【キャラクター重視】【ドラマ重視】
B ストーリー:起こる事件や世界の設定 【ストーリー重視】【ワールド重視】
A コメディ寄り:気楽に楽しめる【キャラクター重視】【ストーリー重視】
B シリアス寄り:緊張感がある 【ドラマ重視】【ワールド重視】
C 該当なし。回答者に理由を詳しく聞いて判別する
いかがでしたか?
自分が思っていた【スタイル】と同じでしたか?
それとも意外な自分の選択に驚きましたか?
商品版ではさらに7個、合計10の質問に細かく答えて貰うことで、
得意や苦手だけでなく優先順位を付けることもできます。
「なぜ、その回答がこのスタイルになるの?」
――といった質問にも丁寧にお答えするので安心してください。
また、それぞれの【スタイル】別の物語創作法もお伝えします。
なので、【スタイル診断】で自分が何を重視しているかわかったけど、
実際に物語にどう反映させたら良いかわからない!!
――という、お悩みも解決できるはずです(むしろこっちが本題)。
6.診断&創作方法を学べるのはココナラだけ★
いかがだったでしょうか。
初めは聞いたことない【スタイル診断】について、
疑問を抱いていたと思いますが謎は解けたのではないですか?
仕組みを知ったことで、
冒頭に提示した問題がなぜ解消されるのかもわかったはずです。
【要約】
- 自分の表現したいことがわからない(自己分析)
- 自分のするべきこともわからない(戦略)
- 参考にすべき作品がわからない(手本・資料)
- 既存の作品の楽しみ方がわからない(作品分析)
- 他人の的外れのアドバイスに悩まされる(取捨選択)
- いつも同じ様な作品や既存の作品の真似になってしまう(差別化)
上記の問題に悩んでいる方は、
是非【スタイル診断】をして前に進むことを決断してください。
今はココナラでしか【スタイル診断】をしていませんが、
今後は色々な活動をしていきたいとも考えています。
■おわりに
みんなはどのスタイルになったんや?
あたしはキャラクター重視だったわ♪
ストーリーは嫌いよ
俺はストーリー重視でした
ドラマは難しいですね!
苦手意識を持たんでええよ
客観的な視点で自分を見ることが大切やねんから
長いブログを読んでいただき、ありがとうございます。
少しでも【スタイル】に関心を持っていただけると嬉しいです。
では、また★
■おまけ 各スタイル毎にオススメの創作術本を紹介
◆キャラクター重視
キャラクター重視の方のための本は少ないので貴重です。
キャラクターを第一に考える漫画ならではの創作術は他のものとは全然違います。
映画や小説の脚本を考えている人も、自分がキャラクター重視だと思うなら読んで損はありません。
◆ワールド重視
『セイブ・ザ・キャット』の構造論の特徴は『お楽しみ』を代表とするジャンルの意識です。
ジャンルというのは娯楽性に直結します。
読んでいても面白くないと言われた人は是非手に取ってください。
◆ストーリー重視
大きな事件が起きて、村を守るために敵を倒す冒険に出る。
そんな主人公が英雄になる物語を描きたい人向けの本です。
主人公の内面ばかり書いてしまう人は参考になるはず。
◆ドラマ重視
こちらは主人公の変化に力点を置いた本です。
強いテーマ性を持った作品を書きたい人におすすめ。
私が最も愛する本の一つで、セミナーに通うアマチュアの主婦が見つけた理論書です。
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